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錯覚の科学 [100番台]


錯覚の科学

錯覚の科学

  • 作者: クリストファー・チャブリス
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/02/04
  • メディア: 単行本



あることを知っていないと本当に「錯覚」してしまう。

錯覚というと、一番最初に思いつくのが「目の錯覚」かもしれません。でも、この本で紹介されている錯覚は、人類がこれまで進化していくうちに身につけた本能に近いところの、意識しにくいものばかりです。

例えば、人間は注意をしているつもりでも、別の作業に集中してしまうと他のものが見えなくなってしまいます。よくある車とバイクの事故。これは、バイクなんてあんな大きなものが走ってきているのに、なぜか車のドライバーからは目に入らないことが多いのだそうです。これは、「注意の錯覚」としてこの本で取り上げられています。

他にも、偶然を必然と考えてしまう「原因の錯覚」や、根拠のないことに対する「可能性の錯覚」など、巷でまことしやかに言われていることは、まず根拠がない=実験したけど効果はないことがはっきりしています。

特に
・モーツアルトを聞くと云々
・脳トレをすると頭が云々

などの盲信以外の何者でもないことを、この本ではバッサリと切り捨てています。頭の機能回復をさせたかったら有酸素運動をした方が、脳トレゲームよりもはるかに効果があるなんて、ちゃぶ台を最後に力技でひっくり返されたような、そんな気持ちになりますが、現実はこうなのです。

著者が、この本のサイトを立ち上げています。最近テレビでも取り上げられたことなので、もしかしたら見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、InbisibleGorilla実験を見て、自分が注意力があるかどうかをたしかめてください。

the Inbisible Gorilla

サイドのメニューの、Video&Demosからどうぞ。
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だらしない人ほどうまくいく [100番台]


だらしない人ほどうまくいく

だらしない人ほどうまくいく

  • 作者: エリック エイブラハムソン
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本



きっちりすることのコストを考えてみる。

私は、はっきり言うとだらしな系の人間です。でも、だいたいこの辺にモノがあることは把握しているので、困る事はありません。でも、見た目まったく片付いていないので、家人からは相当イヤがられています。

で、昨日思い切って久しぶりに整理をしたら、見事に朝の出勤時に携帯電話を忘れてしまう始末(笑)。いつもと違うところにあるだけで習慣から外れてしまっての失敗でした。いあやまいった(笑)

実際、きっちりするにはそれ相応の時間がかかりますし、片付けたらその後必要になったときに改めて探す手間が発生します。そこまで考えて、きっちりするのはやっぱり大変です。

個人的には、使いたいときに見つからないのは無いも同然と思っていますから、きっちり系はあるはずのものを「無いも同然」にする作業に近いわけです。

会社でも、計画をきっちり作ってしまうと、環境の変化や新技術が出てきたときに身動きが取れなくなってしまうことを考えると、やはりだらしな系を少し含ませるのは、いいことなのかもしれない。

もっとも、この本の最後に出てくる「病的なだらしな系」はさすがにまずいと思うけど・・・
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スローシンキング [100番台]


スローシンキング

スローシンキング

  • 作者: 安藤 雅彦
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2009/04/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



じっくり考えることをやめた最近の日本人。

著者は予備校で地学を教えている先生です。地学も受験科目として選択する受験生が少ないために年によっては授業が開設できないこともあるとか。

そんな先生が、地学の基本であるじっくり考えることの重要性を理解しているから、現在の風潮を心配しているのだろうと考えます。

特に「1冊で全部わかるような参考書はありませんか」という質問が毎年必ず出るそうです。だが、1冊で全部書かれているということは個々の項目は内容が薄いということにつながることに、受験生は気が回らないらしいみたいです。

それほど、今の時代は「簡単に覚えたい」と思っている人間が多いということでもあります。その悪しき風潮をさらに推し進めているのが昨今のテレビのクイズ番組であるという指摘は、同じコトを考えている人がいるという安心感を感じました。

クイズ番組で競われているのは、「早く」「簡単に」「答え」を求めるというスタンス、これを「小手先の知識を求めるだけ」という著者の考えは、諸手を挙げて賛成です。以前自分が教えていた生徒に、テレビのクイズ番組に出たことを自慢していた生徒がいましたが、結局無駄な知識が山のように持っているだけということに、本人は自覚してなかったことを思い出します。

今からでも、考えることはできるはず、です。

タグ:地学
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この世でいちばん大事な「カネ」の話 [100番台]


この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

  • 作者: 西原 理恵子
  • 出版社/メーカー: 理論社
  • 発売日: 2008/12/11
  • メディア: 単行本



これは図書館では児童書のところにあるが、そして、その分類は正解だと思う。

サイバラが「お金」ではなく「カネ」の話を、自分の体験を元にしてくれます。書かれている内容は、あまりにストレートで、カネがないというのはどんなことなのか、借金をすることの意味、ギャンブル(FXなどの投資を含む)の怖さの意味。

そしてなにより働くことはどういうことかをちゃんと教えてくれます。ほぼ同世代の私は、自営業や農家の子供がほとんどでした。だから親の姿を見るということは、働く姿を見ることと同じ意味でした。

でも、今は残念ながら会社勤めがほとんどのため、実際に仕事をしている姿は見られません。これが投資関係の仕事になると、パソコンの画面に向かって大金のはずの「数字」を操作しているだけになってしまいます。

これでは、カネがどのような性格のもので、稼ぐことの意味などは子供として知ることもできないでしょう。

そんな、普通であろう金銭感覚を、この本は教えてくれます。なぜかカネの話をすると「よくない」という風潮はいまだにありますが、もうそんな話はやめにして、この本を子供たちに読ませていいんじゃないでしょうか?
タグ:西原理恵子
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葬式をしない寺 [100番台]


葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 (新潮新書)

葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦 (新潮新書)

  • 作者: 秋田 光彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/02
  • メディア: 単行本



改めて考える宗教というもの。

久しぶりのブログ更新です。ちょっと思うことあって書くことが出来ませんでしたが、ここに書くことが自分自身のリセット方法と考えての復帰です。

さて、今回ピックアップしたのは、大阪にある葬式をしないお寺について書かれたものです。

3.11の震災から、様々なことがありすぎました。幸い、自分自身には身内や知人をなくすようなことはありませんでしたが、最期の気持ちの整理をつけなければならないとき、やはりそこには宗教の出番なのだろうと強く感じたものです。

実際、被災地をまわってお経をあげるお坊さんの姿がわりと頻繁にテレビで放送されていました。日本の場合、仏教=葬式=人の死の決着のつけ方というイメージがありますが、そこを決着つけないと残った人間は次に進めないのだということを改めて考えていました。

そんなときに、たまたまこのような本が自分のところにやってくるのです。このお寺は、葬式をしないでそこのコミュニティにいかに貢献するかを模索しているお寺です。

そう、地元のコミュニティにお寺って本当はもっと身近になっていいはずなのに、つまらないお寺=葬式という公式のために「心の最後のよりどころ」の役目を果たせていないところがほとんどです。このお寺のやっていくことは、きっと今後の日本に必ず必要になってくるんじゃないかと、静かに感じています。

タグ:應典院
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考えなしの行動? [100番台]


考えなしの行動?

考えなしの行動?

  • 作者: ジェーン・フルトン・スーリ
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2009/06/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



写真集と思ってみるが、それとも何かをそこから見出すか。

あけましておめでとうございます。今年もゆるゆると当ブログ書いていきます。

さて、今年最初はこんな本を選んでみました。基本的に写真集と思っていただいていい本です。原書は写真が最初に並んでいて、キャプションはあとにまとめて書かれているそうです。

では、その写真とは何か?それは人が何気なくやってしまう瞬間を切り取ったものです。

例えば、熱いコーヒーを持つときに、なぜ端っこを持っている姿。あるいはビニール傘を自転車のサドルと後輪の間に差し込む姿。ロンドンの地下鉄に下りる階段の上の手すりのようなところにコーヒーのコップを置く様子。

おそらく人が無意識に取っている行動なのでしょうが、それなりに何か考えていたことはたしかです。それをうまくすくい上げることができれば(デザインとしてピックアップできれば)、きっと役に立つものが作ることができるはずです。

結局、人間をよく観察すること。ここにすべてのヒントがあります。
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超訳ニーチェの言葉 [100番台]


超訳 ニーチェの言葉

超訳 ニーチェの言葉

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/01/12
  • メディア: 単行本



ある著者を読むタイミング。

書店でもけっこう場所を取っている本です。ニーチェというと、予想以上にハードルが高いように感じますが、読んでみると、今でも通用しそうなことを語っています。ということは、時代はニーチェのころから劇的に変化したように思えても、それは人間を取り巻く環境が変わっただけで、人間の本質はほとんど変わっていない(進化していない?)ということの証明かもしれません。

で、この手のちょっと手を出しにくい感じのする本(心理的なハードルが高い本)が、よくありますが、読んでみると必ずといっていいほど「若い頃に読んでおけばよかった」と思います。今回のニーチェも、同じように感じたものの、もうひとつ「もしかしたら、これを読んで理解できる年になってから読むべきなのか?」とも考えてしまいました。

本を読むタイミング、今度ゆっくり考えてみたいと思います。
タグ:ニーチェ
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「自分」から自由になる沈黙入門 [100番台]


「自分」から自由になる沈黙入門

「自分」から自由になる沈黙入門

  • 作者: 小池 龍之介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本



TVタックルとそこまで言って委員会が嫌いな理由が分かりました。

現役の僧侶が書いた本です。ところどころ不思議な仮名遣いが出てくるので、引っかかるもののそれがちょっとしたアクセントになっているのが特徴です。

この本を読んで一番引っかかったのが、「自分濃度」という言葉。人間は残念ながらどこまでいっても「自分が中心」で、他人については基本的に興味がないということがあります。だから、世の中には自分のことばかり語って他人の話を聞くのがとことん嫌いな人間がいるのです。そんな人をこの本では「自分濃度が濃い」と表現しています。

例えば何かにつけてケチをつけたがる人がいますが、これは「ケチをつける=自分の方が優れている」ということをアピールしたいという裏メッセージが発散されていることに他ならないと著者は指摘しています。なんとなくイヤだと思っていたテレビ番組が、「自分が濃い」出演者ばかりであることは、ちょっとした発見でした。

自分濃度については、もちろん私も濃いと思うときはあります。ですが、自分の話ばかりするのは相手にとってとんでもなく面白くないことであることを知れば、自分は言わないようにしようと心がけることができるはずです。そして自分語りで忙しい人は、「自分濃度をコントロールできない人」と思えばいいのです。そう思えば、不快ではあるものの、他人との比較でしか自分の立ち位置を見つけられない哀しい人と思うことができます。

話すときにゆっくり話すことで、自分濃度を下げることができると著者は語ります。それだけでもやってみたいものです。
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ユダの福音書を追え [100番台]


ユダの福音書を追え

ユダの福音書を追え

  • 作者: ハーバート・クロスニー
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナル ジオグラフィック社/日経BP出版センター
  • 発売日: 2006/04/29
  • メディア: 単行本



ドイツでは、子どもにこの名前をつけるのは法律違反だそうで。

キリスト教徒ではありませんから、詳しい話をすることはできませんが、新約聖書の中には福音書と呼ばれるものがいくつかあります。キリスト教の国際放送を聴いていたこともありますから、その番組には必ずといっていいほど「○○による福音書」からピックアップしたものが読まれていました。

ですが、ここで取り上げている福音書は、実際には実在していることが知られていなかったものです。しかも、そのタイトルの通り、裏切り者として知られた「ユダ」の名前を冠した福音書が存在するとは思えなかったものが、どのように世の中に出てきたのかから詳しく書かれています。

原典はパピルス文書であり、売買がうまくいかなくて銀行の貸金庫に保管されていたばかりに、解読するまで持たないかもしれない状況が、ちょっとしたサスペンス小説のようなものとなっています。「身柄の確保」、「保存」、「翻訳」までの一連の流れの中で、「身柄の確保」が一番長くなっています。なにせパピルスを理解している専門家以外がカネ目的で売買しようとしてうまく売れなかったこと、コプト語という古代言語で書かれているために中身もわからないときたら、全部バラバラになってしまっていてもおかしくない状況だったのだから。

さて、その中身ですが、裏切り者として知られている「ユダ」が、実は一番のキリストの理解者として書かれていて、ユダがキリストを売ったからこそ、その先の磔刑から復活につながったという内容のようです。ユダという名前は、キリスト教徒にはタブーであり、ドイツでは子どもにこの名前をつけるのは法律で禁止されているくらい、忌み嫌われているのです。それが他の使徒よりもキリストを理解していたとなると、キリスト教の根本を揺るがすことになりかねません。

ダ・ヴィンチコードにつながる面白さがありますが、身柄確保が中心となっていることが、ちょっと残念でもあります。中身については、こちらで見るほうがいいかもしれません。



原典 ユダの福音書

原典 ユダの福音書

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2006/06/02
  • メディア: 単行本



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人生はドロ沼の戦い、ではない [100番台]


人生はドロ沼の戦い、ではない

人生はドロ沼の戦い、ではない

  • 作者: スチュワート・ワイルド
  • 出版社/メーカー: ヴォイス
  • 発売日: 1993/02
  • メディア: 新書



あなたの周りにドロ沼の戦いをしている人はいませんか?

人生を生きていく上で、戦う局面はたくさんあるはずです。しかし、あきらかに無理な戦いや何に対して戦っているのか分からない人がいるのも事実です。今やっている仕事は、失業者の再就職支援の講師なので、見当違いな戦いをしている人にたくさん会います。何とこの人は戦っているのだろうと思っていたのですが、この本にその答えが書いていました。

このような人たちは、「誤努力の人」なのだそうです。努力をすることは必要なことです。努力をし続けることができるのもひとつの才能であると思っています。しかし、その方向性が間違っているとどうにもならないということに気がつかない人が「誤努力の人」ということになります。あなたの身の周りにこんな人はいませんか?

・めちゃくちゃ努力しまくってみせたら、人は立派な人間と思って尊敬してくれるんじゃないか?物凄い努力をしているように見えたら結果は関係ない(苦闘型・男女ともあり)
・自分自身としっくりいっていないので、まわりとうまくやっていくことができない。望んでいることが成功することではなく人に認めてもらうことだから、達成不可能な計画にもがき苦しむ誤努力をしてしまう(テロリストタイプ)

・わたしを認めてちょうだい、だって私偉いのよ、ホントは女神なんだから。それに男と同じくらい強いんだから(田○陽○をすぐに想像してしまった、女性)
・私ってなんにもできないつまらない人間なの。どうか助けて、お願いだから面倒見てちょうだい。そしたら私なんにもしないでいいんですもの(うらぶれた壁の花。最近男にもいそうな気がする)

このような人たちは、努力を間違った方向にしているだけで、考え方と方向をちょっと変えてやるだけでもっといい方に進めるはずです。もっとも、それができないから「誤努力家」なんですが・・

今からでも間に合います。この本を読んで間違ったエネルギーの使い方を軌道修正しませんか?まずは次の8つの項目に該当するものがないか、見直してみませんか?

・人に認めてもらおうとしすぎていないか
・「私は男と同じくらい強い」というゲームをしていないか
・まわりのひとに「かわいそうなわたし」を演じていないか
・頭にくる状況の中に、わざわざ踏みとどまっていないか
・本当に必要なものを買う以上に、お金を稼ごうとしてないか
・あなたは世界を、必要以上に「正そう」としてないか
・刺激を求めるあまり、わざわざストレスを生み出していないか
・「自分以外の自分」になろうとしていないか

下から3つめは、某国の大統領(個人的にJrと呼んでいる男)に聞かせてみたいものだ(笑)
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