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ユダの福音書を追え [100番台]


ユダの福音書を追え

ユダの福音書を追え

  • 作者: ハーバート・クロスニー
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナル ジオグラフィック社/日経BP出版センター
  • 発売日: 2006/04/29
  • メディア: 単行本



ドイツでは、子どもにこの名前をつけるのは法律違反だそうで。

キリスト教徒ではありませんから、詳しい話をすることはできませんが、新約聖書の中には福音書と呼ばれるものがいくつかあります。キリスト教の国際放送を聴いていたこともありますから、その番組には必ずといっていいほど「○○による福音書」からピックアップしたものが読まれていました。

ですが、ここで取り上げている福音書は、実際には実在していることが知られていなかったものです。しかも、そのタイトルの通り、裏切り者として知られた「ユダ」の名前を冠した福音書が存在するとは思えなかったものが、どのように世の中に出てきたのかから詳しく書かれています。

原典はパピルス文書であり、売買がうまくいかなくて銀行の貸金庫に保管されていたばかりに、解読するまで持たないかもしれない状況が、ちょっとしたサスペンス小説のようなものとなっています。「身柄の確保」、「保存」、「翻訳」までの一連の流れの中で、「身柄の確保」が一番長くなっています。なにせパピルスを理解している専門家以外がカネ目的で売買しようとしてうまく売れなかったこと、コプト語という古代言語で書かれているために中身もわからないときたら、全部バラバラになってしまっていてもおかしくない状況だったのだから。

さて、その中身ですが、裏切り者として知られている「ユダ」が、実は一番のキリストの理解者として書かれていて、ユダがキリストを売ったからこそ、その先の磔刑から復活につながったという内容のようです。ユダという名前は、キリスト教徒にはタブーであり、ドイツでは子どもにこの名前をつけるのは法律で禁止されているくらい、忌み嫌われているのです。それが他の使徒よりもキリストを理解していたとなると、キリスト教の根本を揺るがすことになりかねません。

ダ・ヴィンチコードにつながる面白さがありますが、身柄確保が中心となっていることが、ちょっと残念でもあります。中身については、こちらで見るほうがいいかもしれません。



原典 ユダの福音書

原典 ユダの福音書

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
  • 発売日: 2006/06/02
  • メディア: 単行本



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