錯覚の科学 [100番台]
あることを知っていないと本当に「錯覚」してしまう。
錯覚というと、一番最初に思いつくのが「目の錯覚」かもしれません。でも、この本で紹介されている錯覚は、人類がこれまで進化していくうちに身につけた本能に近いところの、意識しにくいものばかりです。
例えば、人間は注意をしているつもりでも、別の作業に集中してしまうと他のものが見えなくなってしまいます。よくある車とバイクの事故。これは、バイクなんてあんな大きなものが走ってきているのに、なぜか車のドライバーからは目に入らないことが多いのだそうです。これは、「注意の錯覚」としてこの本で取り上げられています。
他にも、偶然を必然と考えてしまう「原因の錯覚」や、根拠のないことに対する「可能性の錯覚」など、巷でまことしやかに言われていることは、まず根拠がない=実験したけど効果はないことがはっきりしています。
特に
・モーツアルトを聞くと云々
・脳トレをすると頭が云々
などの盲信以外の何者でもないことを、この本ではバッサリと切り捨てています。頭の機能回復をさせたかったら有酸素運動をした方が、脳トレゲームよりもはるかに効果があるなんて、ちゃぶ台を最後に力技でひっくり返されたような、そんな気持ちになりますが、現実はこうなのです。
著者が、この本のサイトを立ち上げています。最近テレビでも取り上げられたことなので、もしかしたら見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、InbisibleGorilla実験を見て、自分が注意力があるかどうかをたしかめてください。
the Inbisible Gorilla
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