スローシンキング [100番台]
じっくり考えることをやめた最近の日本人。
著者は予備校で地学を教えている先生です。地学も受験科目として選択する受験生が少ないために年によっては授業が開設できないこともあるとか。
そんな先生が、地学の基本であるじっくり考えることの重要性を理解しているから、現在の風潮を心配しているのだろうと考えます。
特に「1冊で全部わかるような参考書はありませんか」という質問が毎年必ず出るそうです。だが、1冊で全部書かれているということは個々の項目は内容が薄いということにつながることに、受験生は気が回らないらしいみたいです。
それほど、今の時代は「簡単に覚えたい」と思っている人間が多いということでもあります。その悪しき風潮をさらに推し進めているのが昨今のテレビのクイズ番組であるという指摘は、同じコトを考えている人がいるという安心感を感じました。
クイズ番組で競われているのは、「早く」「簡単に」「答え」を求めるというスタンス、これを「小手先の知識を求めるだけ」という著者の考えは、諸手を挙げて賛成です。以前自分が教えていた生徒に、テレビのクイズ番組に出たことを自慢していた生徒がいましたが、結局無駄な知識が山のように持っているだけということに、本人は自覚してなかったことを思い出します。
今からでも、考えることはできるはず、です。
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