「自分」から自由になる沈黙入門 [100番台]
TVタックルとそこまで言って委員会が嫌いな理由が分かりました。
現役の僧侶が書いた本です。ところどころ不思議な仮名遣いが出てくるので、引っかかるもののそれがちょっとしたアクセントになっているのが特徴です。
この本を読んで一番引っかかったのが、「自分濃度」という言葉。人間は残念ながらどこまでいっても「自分が中心」で、他人については基本的に興味がないということがあります。だから、世の中には自分のことばかり語って他人の話を聞くのがとことん嫌いな人間がいるのです。そんな人をこの本では「自分濃度が濃い」と表現しています。
例えば何かにつけてケチをつけたがる人がいますが、これは「ケチをつける=自分の方が優れている」ということをアピールしたいという裏メッセージが発散されていることに他ならないと著者は指摘しています。なんとなくイヤだと思っていたテレビ番組が、「自分が濃い」出演者ばかりであることは、ちょっとした発見でした。
自分濃度については、もちろん私も濃いと思うときはあります。ですが、自分の話ばかりするのは相手にとってとんでもなく面白くないことであることを知れば、自分は言わないようにしようと心がけることができるはずです。そして自分語りで忙しい人は、「自分濃度をコントロールできない人」と思えばいいのです。そう思えば、不快ではあるものの、他人との比較でしか自分の立ち位置を見つけられない哀しい人と思うことができます。
話すときにゆっくり話すことで、自分濃度を下げることができると著者は語ります。それだけでもやってみたいものです。
2010-08-15 09:28
nice!(1)