脳がよみがえる [400番台]
リハビリも進化する。
私の両親はふたりとも脳卒中でした。リハビリをしている様子も見たこともありますが、当時は「脳卒中はあたりどころが良ければ後遺症もなく完治するが、普通は障害が残ってしまう」というのが一般的なイメージでした。
ところが、たまたま見たNHKスペシャルで最新の脳卒中のリハビリが紹介されていて、そのときの番組内容がこの本になっていました。
すべてが全部回復するわけではありませんが、一定期間経過しても回復の可能性があるし、機械のアシストで動いたという成功の感覚を覚えることで機能が回復するなど、リハビリもどんどん最新研究が出てきていることをこの本で知ることができます。
リハビリをした後、寝た方が回復につながる(記憶が寝ている間に定着するのと同じ)とか、タイミングよくほめることが機能回復にもつながるなど、子育てなどとつながる研究も出てきています。
問題は、なかなかこのような最新医療の情報が、本当に必要としている人のところまで届かないことですが・・
2011-11-05 21:53
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人間の往生 [400番台]
こんな時期に、これを読むとやはり思うことがある・・
私の住む仙台は徐々に日常生活が戻りつつあります。もっとも、仕事を失った直後なので、収入がないのは厳しいものがありますが、それでも本屋も図書館もブックオフも再開するところが増えてきました。
報道もそろそろ地震・津波の被害よりも原発の揚げ足取り的な方にシフトしつつあり、1ヶ月近くになると地震があったこと自体が過去のことになりそうな不安があります。
そんななかに読んだのが今回の本です。看取り医として、終末医療を主に行っている医師の方が書く、人の最期についての本です。
老衰なり、痴呆なりある程度の高齢で、できれば病院ではなく在宅で看取られて亡くなることは、実はとても幸せな人生の最期の迎え方なのではないかと。
特に今回、津波に襲われて一気に一飲みされてしまって人生を終わらせることになった人と比べたらと思うと。
2011-04-10 13:52
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上手に”痛い”が言える本 [400番台]
医者に「痛い」をどう伝えるか?
具合が悪くて医者に行くと、診察はわずか5分ぐらいです。そんな短い時間に、自分の症状をどうやって伝えるかを医師の立場から教えてくれる本です。
例えば、「痛い」と言っても、
・どこが痛いのか
・どんな風に痛いのか(しくしく痛むとか、刺すようにとか)
・いつから痛むのか
・どこが痛むのか
このようなことを、痛がっている本人が、医者に伝えなければなりません。これ以外にも、医者の言っている専門用語がわからないのであれば、「それはどういうことですか?」と聞き返す必要もあります。このような、実際に医者にかかるときにどうしたらいいかをシンプルに教えてくれるのです。
この本には、これ以外にもセカンドオピニオンをどのようにしたらいいのかや、薬についての考え方も書かれています。
医者に行くとなぜか無理をして、実際の症状を伝えない人もいますし、うまく伝えられない人もいます。まずは急性なら無理ですが、慢性な病気の時は、まず症状を紙に書いて、それを見せながらというのも、この本でのお勧めのかかり方だそうです。
実際、そのようにして、今の医者には診断してもらって、私は治療中です。
2011-03-03 16:14
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ポテチを異常に食べる人たち [400番台]
ポテチを異常に食べる人たち~ソフトドラッグ化する食品の真実~
- 作者: 幕内秀夫
- 出版社/メーカー: WAVE出版
- 発売日: 2010/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
心当たりのある人は手を挙げて。
最近、すっかりいわゆるスナック菓子を食べなくなりました。お金がなくて食べるのに困ってから、食べなくてもいいようになったというのが本当ですが、よくお菓子を主食のようにしている人はたしかにいます。
その中でも、ポテトチップス通称ポテチは、たしかに食べだすと止まらなくなりますが、これは著者言うところの「うまみカルテット(甘味・うまみ・脂肪・塩味)」が非常に強調されたものとなっています。だから食べだすと止まらないということですが、これが食事になっているのはとても危険なことです。
ちょっと考えてみても、カロリーはありますが食事の代わりにはなりません。しかし、食べだすと止まらないのも事実です。ある種の依存症とすら言えるのではないかというのが著者の主張です。
親が小さいころからスナック菓子を買い与えると、どうしてもその強烈な味覚じゃないとおいしいと思わないのですから、将来がとても不安になります。そして、大量に買い込んで袋から直接食べるような食べ方をしている人は、もう依存症と思っていいでしょう。
自分の食べ方を、一度振り返ってみてください。依存症になっていると思いませんか?そう、ポテトチップス専用箸なんか使っているあなた。
タグ:ポテトチップス
2010-12-24 23:30
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そのひとクチがブタのもと [400番台]
ブタになるのは、意志が弱いからじゃない!
ダイエット本に分類されるのでしょうが、著者は食に関することを研究する心理学者だそうです。大学には研究のために使うレストランまであって、そこでさまざまな調査が行われていて、その結果がこの本になっているようです。
で、ダイエットについてももちろんいろいろと研究しているのですが、その中で興味深いのが「どこで満腹と判断するか」です。
おなかがいっぱいになったら分かりそうなものですが、実験では「入れ物が空になったら満腹」なんだとか。これを実証するために、スープ皿に細工をして、飲んでも飲んでも減らないようにしたら、一番多く飲んだ被験者は倍近く飲んだそうです。
他にも、映画館でバケツみたいなポップコーン(5日前に作ったもうおいしくないもの)を無料で配ったら、普通サイズよりも多く食べたそうですし、手羽先を食べたとき、骨を残したままのテーブルとすぐに片付けてしまうテーブルでは、すぐに片付けてしまうテーブルのほうがより多く食べてしまうそうです。
では、どうやるか?
まず、小さめのお皿に自分の分を取り分けて食べること。飲み物のグラスは細長いものにすること。食べた分がわかるように、骨などはテーブルに残しておくこと。食欲をそそる食べ物は、不便にすること(チョコレートは個別包装にして、基本的に食べる分以外はしまっておくこと)。
20%減らしても、基本的には分からないのだそうです。だから、毎食を20%減らしてしまえば、少しずつではありますが、確実にやせていくはずです。短期に大きくやせようというのは、考えないことにして。
タグ:ダイエット
2010-10-12 22:10
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代替医療のトリック [400番台]
科学的に効果があるかどうかを考えてみる。
この本は、一般的な西洋医学に対する代替医療に本当に効果があるかどうかを、発表された論文を精査することで検証したものです。著者は代替医療について否定するという立場ではなく、はっきりした効果があるのであれば、それをしっかり提示しようと考え、この本を書いたことを明示しています。
本当に効果があるかどうかは、実は相当難しいところがあります。なぜなら、そこにはプラセボ効果と呼ばれるものがあるからです。
よく知られたこのプラセボ効果ですが、薬効のある薬ではなく、まったく薬効のないもの(例:小麦粉を丸めただけ)でも、薬として飲ませたら効果が出てしまうというものです。ですから、検証にはこのプラセボ効果が出たのか、実際にその代替医療で効果が出たのかをしっかりと分けなければなりません。
このプラセボ効果、患者側だけではなく医者側にも発生してしまいます。つまり、医者がこの薬を使えば効果があることを、無意識に患者に向けて発信してしまうことで効果が出てしまうこともあるのです。そのために二重盲検法(患者も、医者もどちらも薬なのか偽薬なのかわからない状態で検査すること)が必要になり、第一章を使ってそのポイントを説明しています。
では、この本に取り上げられている鍼・ホメオパシー・カイロプラクティック・ハーブ療法はどうかというと、非常に芳しくない結果が出ています。はっきり言えば、プラセボ効果並みの結果程度だということです。
ではそれが効果がないかというと、プラセボ効果でも自身の不快感が解消されるのであればそれでもいいのでは?と考えられるわけです。そう考えると難しいものがあります。ただ、はっきりと言えるのは、代替医療に頼るのはいいとしても、今まで治療を受けてきた「西洋医学」の治療をやめるのはそれこそ致命傷になるということです。
最近やたらテレビで放映されている各種のサプリメントも、おそらくしっかりとした効果があるかどうかの検証をクリアしているとは思えません。でも、「あの人に効果があったのであれば、自分にも」という理由で取り入れるのは、かなり危険な考え(健康面も、そしてお金の面も)と認識することが必要です。
PS
個人的な経験をひとつ。
肝機能異常で医者に通っていたことがありますが、そのときの若い医者に「少し太っているからですね」と、まったく科学的ではない診断を下されたことがあります。こんな医者にかかるなら、代替医療に行ったほうがマシと思えますが、この本を読んで「医師との信頼感が築けていない」ことも、医療の効果を下げることになりそうです。
つまり、信頼できないから、本当は効く薬なのに効果が出ないということも考えられるのです。
2010-08-21 11:34
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奇想天外な科学実験ファイル [400番台]
こんなものを実験するのもどうかと思うが・・
この本は、実験の本です。実験というと、さまざまな「高尚な」科学実験が思い浮かぶかもしれませんが、この本で紹介されている実験は、「そんなことを実験してどうする?」と思えてしまうものばかりです。
例えば、次のようなものです。
・ギロチンのあとに意識はあるのか?(まばたきを数えたらしいが・・)
・くすぐったいのはなぜ?(自分で足の裏をくすぐっても平気なのに、他人にされるとくすぐったい理由を知りたいらしい)
・ワインのテイスティング実験(白ワインに赤い色をつけたものをテイスティングしたら、赤ワインの味の表現が出てきたそうだ)
・ゾウにLSDを打ったらどうなる?(即死したそうだ・量を間違えたかも)
・アタマから離れないシロクマ(今からシロクマのことだけは考えないでくださいといわれると、かえって頭の中にシロクマが浮かぶ)
最後のシロクマ実験(?)は、これを読んで試した人の頭には、きっとシロクマが居座るはずです(笑)。これをもう考えなくていいですよといわれると、逆に意識しなくなるそうで。
実験で確かめたいというのは、ある種の好奇心からくるものだといえると思いますが、この本に出てくる実験の中で、「ハイド氏の作り方」のところは、さすがに怖いものがあります。実験の結果から、人の心を簡単に変えたり操ることができるのですから。
2010-01-14 22:13
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医学探偵ジョン・スノウ [400番台]
医学探偵ジョン・スノウ―コレラとブロード・ストリートの井戸の謎
- 作者: サンドラ ヘンペル
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2009/07
- メディア: 単行本
常識と考えられるものを覆すことの難しさ。
これは、ヨーロッパで猛威を振るったコレラを、その原因がどこなのかをまさに探偵のごとく追及していった姿の記録です。当時、疫病は「悪い空気が病気の原因」などという常識がまかり通っていた時代に、科学的な調査が非常に難しいなか、井戸の汚染がその原因であることを突き止めるまでが書かれています。
もともとコレラは、コレラ菌に汚染された水を飲むことで感染が広がる病気らしいのですが、感染者が出ている地域は水だけではなく生活環境がひどいところが中心だったので、「悪い空気」が病気になると思われても仕方のない状況を、通り1本隔てたところでは感染者がまったく出ていないことから丹念にたどって原因と思われるところまでの姿は、本のタイトルの通り「医学探偵」そのものです。
当時のヨーロッパに限らず、一般的に信じられていることを覆すことの難しさがこの本を読むとよく分かります。ただ、それ以上にこの本の舞台であるロンドンの、衛生状況の悪さはひどいものです。清潔にすることが病気を避けるための基本であることがよくわかります。なんせコレラの感染者の排泄物や嘔吐物を飲み水の井戸の近くで洗って、その下水が飲み水の井戸に染み出して流れ込んでいたのですから。
衛生状況を改善することは重要ではありますが、今の日本は、ちょっとそれが度を越しているように思えてしまうのは私だけでしょうか?特にまだ全貌がつかめていない新型インフルエンザは、この本の舞台となったロンドンにおけるコレラとあまり変わらないような気がするのですが・・
タグ:コレラ
2009-10-01 22:54
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パンデミック [400番台]
咽元過ぎて熱さ忘れていませんか?
ふと思うことあって検索して調べてみました。新型インフルエンザでフェーズ6(いわゆるパンデミック)に引き上げたのはいつだったかなと思ったら、ほぼ1ヶ月前の日本時間6月12日でした。
いまやすっかりニュースにも話題にも取り上げられない状態になってしまった新型インフルエンザですが、私の住む仙台でも患者が発見されています。でも、すっかり暑くなったせいか、電車でも誰一人マスクをしている人を見ることはありません。パンデミックってたしか世界的な大流行を意味すると思ったのですが、咽元を過ぎて「King of POP」が亡くなってしまったら、全部そっちに話題を持っていかれたような状況です。
しかし、このあと新型インフルエンザが再び猛威を振るうのはかなり確実なことだと思える現状で、このままのほほんとしているともう一度あの騒ぎをやり直すことになりそうです。そのためにもこのような本で少なくとも最低限の知識を確認しておく必要はあるはずです。
この本は今年の2月に出版されているので、新型インフルエンザに合わせて出されたものではありません。ですが、心配すべきことはこの本にしっかりと書かれています。少なくとも次に同じように発生したときに、マスクが品切れになるようなことのないように準備できることは準備しておきたいものです。
個人的には新型インフルエンザにかかっても重症にならないよう体力をつけておくのが最大の対処法ではと思っていますが・・
タグ:パンデミック
2009-07-12 17:01
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医者が秘密にしておきたい病気の相場 [400番台]
医者が秘密にしておきたい病気の相場 (青春新書INTELLIGENCE 216) (青春新書INTELLIGENCE)
- 作者: 富家 孝
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2008/10/02
- メディア: 新書
実際にお金がかかりますが、それはいったいいくら?
私事ですが、母親がクモ膜下で倒れたとき、いわゆるクリッピング手術(脳動脈瘤をクリップで止めて破裂しないようにする手術)を受けました。それも2回。1回目は破れた直後の緊急で、そして2回目はその半年後ぐらいの予防措置として。
当時、だいたいの目安として1回頭を開けたら50万と言われたものです。開頭手術だけでこの金額で、もちろん入院費用は別です。もっとも、高額療養費制度があるので実際の負担額をそれほどでもありませんが。
この本は、さまざまな病気をした場合、それがどれくらいの費用がかかるかを教えてくれるものです。それでなくとも、メタボなどのような新しい病気を作られてしまう時代ですから、病気になっていくら療養費がかかるかは心配になります。入院や手術の費用を保険でまかなうと考えても、保険会社が破綻してなくなるかもしれない時代ですから、情報としての医療費は知っておく必要があると思うのです。
さまざまな病気・手術の費用と、その費用が実際に妥当かどうかをこの本で確認することもできますから、その医者が信じられるかどうかの判断材料にもなります。つまり、医者がボッタクリかどうかもわかるのです。安すぎるのも、高すぎるのも、両方疑わしいということは知っておくべきことです。
ちなみに。
インフルエンザのワクチン。だいたい3000円から5000円くらいかかりますが、効果が本当にあるかどうかは疑問であることを知っていますか?ワクチンよりも、病気にならない体力を考えた方がずっと安上がりだと思うのは私だけでしょうか?
2008-12-14 21:47
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