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男女で違うメタボとコレステロールの新常識 [400番台]


男女で違う メタボとコレステロールの新常識 (健康人新書 11)

男女で違う メタボとコレステロールの新常識 (健康人新書 11)

  • 作者: 田中裕幸
  • 出版社/メーカー: 廣済堂出版
  • 発売日: 2008/08/18
  • メディア: 新書



こんなもん病気に入れてほしくない。

珍しく健康診断を受けました。年齢から、メタボ検診もありましたが、その結果が「メタボリック症候群」、「毎日30分は歩きましょう」「食べるものに気をつけましょう」だそうで。

しかし、私は毎日1時間程度通勤のために歩いていて、食べる量も以前より減っていて、血圧が高め安定(献血を3週間に1回程度しているので、血圧はいつもそのときに計って知っている)なのに、そのときのたった1回の検診で「病気」と扱われることに非常に違和感を感じました。検診のときに問診をした医者は、「血圧が高いからどうしても1度内科医を受けろ」とやたらに勧めるし。以前肝臓が悪いときに「ちょっと太っていますね」が肝臓が悪い理由にされたとき以来、医者を信用していませんが、さすがにこの「メタボ」は再びあのときの不快感を思い出しました。

この本を読むと、メタボが男性の数字を基準としているので、女性にはキチンとフィットしていないとか、コレステロールのコントロールは本当に必要なのか、そして食べ物によって動脈硬化が変わってくることなど、医者では決して教えてもらえない話がたくさんあります。

メタボは、果たして本当に病気なのか、そして本当に治療が必要なものなのか。一律の判断基準が、人には個人差があることをどこまで考慮しているものなのか。自身の結果を見ながら、そしてこの本を読みながら改めて疑問を持った次第です。

タグ:メタボ
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人は誰でも間違える [400番台]


人は誰でも間違える―より安全な医療システムを目指して

人は誰でも間違える―より安全な医療システムを目指して

  • 作者: 米国医療の質委員会 医学研究所
  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



医学に限らず、人は間違えるものとして準備しなければならない。

この本は、医療システムをより安全にするためにどのように「人の間違い」を減らすかという研究をまとめたものです。基本となる考えとして、ここには「人は間違えるものである」という意識があります。残念ながら、日本では「間違えるのはその人が悪いから」という考えが浸透していて、失敗してしまうと「犯人探し」をして「原因探し」をしないという問題が横たわっています。

医療などは人の間違い=人の生死に直結してしまうのに、アメリカでは年間で交通事故よりも多く医療事故で亡くなるという状況なのだそうです。だから、この本では人の間違いを「システムで防ぐ」ことを主眼において考えるべきであると提言しています。

このシステムで防ぐには、さすがにたくさんの難しいポイントがあります。ミスの情報を集めるための「エラーの報告システム」、「報告された内容が特定されないための機密保護」や、裁判になったときの情報の扱いなど、クリアしなければならないポイントはたくさんありますが、アメリカはこれをどうにか乗り越えようとしています。

日本は、「人の責任」ではなく、「原因」の追究が果たしてできるのでしょうか?
タグ:医療ミス
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健康の天才たち [400番台]

健康の天才たち (新潮新書 234)

健康の天才たち (新潮新書 234)

  • 作者: 山崎 光夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 新書

今の日本はこの人たちのおかげかもしれない。

世の中健康ブームだったりします。個人的には大変嫌いな風潮でもあります。なぜって日本人はどうしても「度が過ぎる」から。テレビの通販番組ではやたら「健康にいい」サプリメントや食べ物が宣伝されています。それが「アメリカの最先端の研究では!」と枕詞がつくとコロッと騙されるわけです。私のバックナンバーをひっくり返すと「あるある大辞典」の納豆騒ぎをこき下ろした記事が出てきます。

で、この本は誰が健康の天才なのかというわけですが、この人たちは正真正銘の健康であることを支えてくれるモノ・コトをしてくれた人たちなのです。

紹介されているのは、ラジオ体操で号令をかけていた人(もともと陸軍の人で、NHKのアナウンサーではなかった)やコンドームを開発した人(性病、特に梅毒は今以上に深刻な病気だったのでその予防に必要だった)、軽量カップの発明者(これのおかげで今の料理は誰でも作れるようになった)、水質管理、亀の子たわしの発明者、そして西式健康法の考案者の6人です。

料理の軽量カップなんていつの間にかできたように思えますが、料理人の感だけの時代に実際に計ることで「一般化」できたのですから、その恩恵は計り知れないものがあるはずです。今のテレビの情報なんかより、ずっと日本人の健康に寄与した人の話は感慨深いものがあります。

それにしても、「健康のためなら死んでもいい」と思っていそうな日本人がたくさんいそうな時代になりました。


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地図を作った人びと [400番台]

地図を作った人びと―古代から観測衛星最前線にいたる地図製作の歴史

地図を作った人びと―古代から観測衛星最前線にいたる地図製作の歴史

  • 作者: ジョン・ノーブル ウィルフォード
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2001/01
  • メディア: 単行本

地図を作ること、それはいったいどんなモノを必要とするのか?

地図を書いてみたことがありますか?簡単な略図であれば書いたことがある人は多いと思いますが、これを「精確」に書くとなると、途端にハードルが高くなります。まず、基準をどこにおけばいいのか?そこからどのくらい離れているかをどうやって計測したらいいのか?基準点からどちらの方角になるのか?このようなことが全部揃って初めて地図がなりたつのです。

実際、精確な地図を書こうとすると、まず緯度を知らなければなりません。これを知るには六分儀などを使って星を観測して決定します。経度を知ろうと思うと今度は正確な時計が必要になります。経度は時差という形で表されますから。そして三角測量をするときに必要となる数学的な知識。これらが積み重なって初めて地図を作ることができるのです。

そして新しい技術がどんどん地図の精確さを広げていきます。レーザーであり、飛行機であり、人工衛星であり、コンピュータであり。地図を書くということは、知識を広げることにもなります。この本を読むと、人間がいかに知識を広げようとしてきたか、その戦いの歴史を見ることもできます。

たかが地図、されど地図なのです。実に奥の深い世界です。


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火星の人類学者 [400番台]

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)

  • 作者: オリヴァー サックス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 文庫

ここに出てくる人たちを、自分と違うからといって変な目で見ることはもうできない。

これは、7人の脳の機能障害を持つ人が登場します。色を失ってしまった画家、トゥレット症候群の外科医(運動や音声のチックと呼ばれる不思議な行動が自分でもコントロールできないのに、手術するときはこの症状が出ない)、そして自閉症の画家や動物学者。このような健常者とは違う世界に住んでいる(としかいいようがない)人たちが紹介されています。

障害があるからといって、別に健常者に劣るわけでもなく、それ以上の能力を発揮してみせる人もいます。特に、「火星の人類学者」と自分を評する動物学者の話は、この自閉症という病気の特徴である「他の人の気持ちが理解できない」ことが、自分の中に大きくはないですがあるような気がして非常に気になりました。大学の授業で心理テストをやったとき、「欠感情症」と判定されたのは、もしかしたらこれだったのかもと・・・

となると、自閉症の症状の特徴である「社会性の欠如」「言語能力の欠如」「想像力の欠如」は、実は誰にでも大なり小なり持っているものじゃないかと考えてしまいました。それが大きく表にまで出てしまったのが自閉症なのではと。

脳の不思議さ、そして人間の奥深さを知ることの出来る本でもあります。なお、この本の作者は「レナードの朝」を書いた人でもあります。

レナードの朝

レナードの朝

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2007/05/30
  • メディア: DVD


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食のリスクを問いなおす [400番台]

食のリスクを問いなおす―BSEパニックの真実

食のリスクを問いなおす―BSEパニックの真実

  • 作者: 池田 正行
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 新書

5年前から、少しは変わった?

この本は2002年に出版されました。ちょうどその頃はBSEのパニック(そう、正にパニックだった)でしたが、そのときの実態を詳しく解説したものです。もっとも著者は普通の内科医で、ちょうどスコットランドに留学していたときに現地でBSEが発生し、だれよりも懸命に情報発信に努めた方でした。

情報発信し始めた頃は、日本ではまだBSEは発生していませんでした。しかし、その後この警告を無視した厚労省・農水省は見事なまでに失敗したわけです。

さて、そんな経緯よりも気になることがこの本はありました。それは「ゼロリスク探求症候群」というものです。リスクは完全に0にすることは不可能なのに、それを求めてしまうことだそうです。リスクは避けられないに、どうしてもそれを0にしようとしたがる人が実際にいます。もうここまで来ると「社会病理」ともいえるこの症候群、どう見ても日本中に蔓延しているように思えます。

例えばダイオキシン問題。ダイオキシンはゴミを燃やすことが最大の発生源ではなく、食物から取る方がはるかに多いということは知っていますか?それも別に問題がある量ではないので心配はないのですが、これを完全に0にするのは技術的にも不可能です。でも、それをどうにかして追求しようとして膨大なコストをかけるのは、果たしてどうなのでしょうか。抗菌グッズがバカ売れしている日本は、このゼロリスク探求症候群にどっぷりなのかもしれません。

そしてもうひとつ。これも今年意図せずブレークしてしまった問題も、実はこの本で指摘がされていました。それは「リスクコミュニケーション」ということ。自分たちに不利な情報をいかに相手に誠意を持って伝えるかということですが、ここでウソをついてごまかそうとする会社が多いことが、いかにこの「リスクコミュニケーション」が難しいという証明をしています。結局5年前から進歩していないことだけが分かっただけでした。


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数学で身につける柔らかい思考力 [400番台]

数学で身につける柔らかい思考力-ビジネスと日常の疑問が解ける!-

数学で身につける柔らかい思考力-ビジネスと日常の疑問が解ける!-

  • 作者: ロブ・イースタウェイ, ジェレミー・ワインダム
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/06/06
  • メディア: 単行本

数学だって、使い道はちゃんとあるんだから。

この本の原題は、"Hidden Mathematics of Everyday Life"となっています。つまり、直訳すると「日常に隠れた数学」ですが、まさに日常にある話を数学の裏づけで見せてくれる形となっています。

例えばスポーツで番狂わせが起こるのはなぜかとか、タクシー料金はどのようにして計算されているのかとか、噂話がどのようにして広がっていくのか(=インフルエンザがどのように感染を広げていくのか)・・・

特に、この中で役に立ちそうな話として「ベンフォード則」が紹介されています。これは、数字を考えたとき、どの数字から始まるかを調査したものです。具体的には「1」から始まる数字は全体の30%、「2」から始まる数字は18%ぐらいあるのに対し、「8」から始まるのは5%、「9」から始まるのはわずか4%しかないというものです。これを何に使うかというと、不正経理の発見に使うのです。数字の全体の1/3が1から始まるのに、8や9から始まる数字がやたらと多いと「数字の操作」があって不正経理をしているのでは?と疑うことができるのです。実際、これを実証しようとして親戚のお店の売り上げを調べてみたらホントに見つかっちゃったなんてことも紹介されていました。

このように、数学は役に立ちます。それを教えてくれる1冊です。よく「微分積分が役に立つのか?」と言う人がいますが、ipodユーザーであるならば(もっと言い切るならばCDを買って持っているならば)その「微分積分」をありがたく使わせてもらっているのですけどね。


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医療の限界 [400番台]

医療の限界 (新潮新書 218)

医療の限界 (新潮新書 218)

  • 作者: 小松 秀樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 新書

ここでいう「限界」とは、2つの意味がある。

「医療の限界」と聞くと、何を想像するでしょうか。完全な治療法が見つからない病気があることが「限界」のイメージを思わせます。しかし、この本で取り上げている「限界」は実は「医療従事者がもう限界である」という意味と「医療を取り巻く環境がもう限界だ」の2つを挙げています。

「医療従事者の限界」は、それこそ医師や看護師などがあまりの忙しさにどんどん離職していくことを示しています。また、「医療を取り巻く限界」とは、「医師は病気を完璧に治すもの」という幻想が患者側にあり、治療できなければ「医師がワルモノ」とされてしまう環境を示しています。

たしかに医療従事者の仕事の量は膨大で、医療従事者がかえって体を壊してしまうケースも見られます。これだと続けていきたくとも肉体的に無理な環境になりました。また、ちょっとした医療トラブルが「裁判沙汰」となり、リスクのある治療を医師が行えなくなったことも実際に増えてきました。リスクのある治療といっても、産婦人科での出産が、それに該当するようになり、実際妊婦が死んだことで産婦人科医が「業務上過失致死」で起訴された事件も発生しています。

このような背景があるために、産婦人科が減少しているのも事実です。出産はもともと非常にリスキーなことのようです。しかし、それが裁判で有罪になるようでは、もう誰も産婦人科(もちろん医師や看護師という職業全般が)成り立たない状況になりつつあるのです。

この本を読むと、この国の医療の行く末がとても心配になります。これだったら、病気になったらポックリ逝くことがこの国では正解ではないかと思えてしまうくらいです。


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人はなぜエセ科学に騙されるのか [400番台]

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈上〉 (新潮文庫)

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: カール セーガン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 文庫


人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: カール セーガン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 文庫

騙されるのは、世界中にいるみたいだ。しかし、それをひっくり返すのはとてつもないエネルギーが必要かも。

「科学者の良心」と呼ばれていたカール・セーガン博士の10年前の著作です。この本の日本語版の翻訳中に亡くなったので遺言的な内容となっています。博士は、エセ科学を徹底して糾弾された方で、UFOや宇宙人による誘拐、セラピー、魔女裁判などの「どこが問題か」をそれこそ科学的に指摘したものとなります。

特にセラピニストによるカウンセリングは、記憶を勝手に作り変えられてしまうというなんとも言えない「不安」を感じさせる内容となっています。そんな気持ちはないのに、セラピストに誘導されて「記憶を捏造」されてしまうケースが多いのだそうです。たしかに、記憶は周囲の人や権威のある(と本人が思い込んでいる)人に言われるとそうではないのにだんだん「そんな気がしてきて」、最終的に「そうだった」となってしまう流れは、今でもテレビで恫喝を繰り返す細木数子を思い出してしまいました。

これを脱出するにはまずこの本を読み、懐疑精神と不思議なものを素直に驚く知的好奇心を学んでください。10年前だから、アメリカだからなんてことは関係ありません。今でも普遍的な意味を持つ1冊です。


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わたしたちはなぜ科学にだまされるのか [400番台]

わたしたちはなぜ科学にだまされるのか―インチキ!ブードゥー・サイエンス

わたしたちはなぜ科学にだまされるのか―インチキ!ブードゥー・サイエンス

  • 作者: ロバート・L. パーク
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: 単行本

ブードゥーサイエンスに騙されるな!日本にも意外と近くにありそうだぞ!

この本は、物理学者である著者が、世にはびこるブードゥーサイエンス(インチキ科学)を科学的に糾弾するものです。アメリカでは未だに「永久機関」を開発したと言っては企業や投資家から(さらには一般に人たちまで)お金を巻き上げようという「自称発明家、ただし科学は学んでいない市井の人」がたくさんいるようです。また、マスコミを使って嘘八百(どころかウソ2億4千万ぐらい)をさも真実のように垂れ流すコラムニストもいるようです。

例として「ビタミンO(オー)」が取り上げられています。これの正体は「蒸留水中の安定化した酸素分子と塩化ナトリウム」と広告に明示しています。あらゆる効能があるサプリメントと謳われているのですが、これ、信じますか?これは一般的な言い方をすると「ただの塩水」なんですけど。これでも、プラシーポ効果(偽の薬でも信じてしまうと効いてしまうこと)で体がよくなる人がいるから困ったものです。アメリカではこれが月6万本も売れているのだとか・・・

他にも「高圧電線の下では電磁波が発生して白血病になる」という力いっぱいのデマ(これを7年かけて本当に因果関係がないことを調査したおかげで電力会社が無駄な訴訟に巻き込まれなくなった)や、レーガン大統領時代のSDI計画もブードゥーサイエンスとして紹介されています。こんなことを信じるのか?と疑う人もいるでしょうが、日本でも同じようなことがありそうです。

日本でのブードゥーサイエンスの代表は私がいつもコキ下ろしているテレビの健康番組と、通販番組で紹介されている商品たちです。あるある大辞典での実験結果は結局ウソでしたし、通販番組で扱っている健康食品もよく見たら典型的なブードゥーサイエンスに思えます。ついでに言うなら、最近大流行のなんとかブートキャンプも、あの体を作るには1週間ぐらいじゃ無理だし、トレーニング後にプロテインをしっかり摂取しないとあそこまでは行かないはず。そこを簡単に考えて飛びつく姿は、ブードゥーサイエンスに騙される人と同類ですな。時に日本人は、「アメリカの最先端」に無意味に弱いですから。

さて、あなたは騙されないという自信がありますか?


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