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忘れないように [こんなことを考えている]

3.11から相当の時間が経過しました。自宅は一番時間のかかったガスもちょうど一ヶ月で復旧し、日常の生活がどうにかできそうな状況まで戻りました。もっとも、この間にパートナーが仕事帰りに液状化ででこぼこになった道で足をとられて転倒し、外くるぶしの下を亀裂骨折するという状況になってしまい、まだまだ苦難が続いている状況は変わりません。

さすがに本を読む気力も、ブログに記事を書く気力もない中、電子出版で経験談を出したのですが、その中からこれだけはここでも紹介しておかなければというものをピックアップしておきたいと思います。

それは、絶対に必要となる準備のことです。このように書くと、「電池とか水や食糧?」と思われるかもしれませんが、もっと切実な部分です。これは体験でもありますし、その後の報道で気になったところでもあります。

まず第一に挙げておくものとして、薬があります。市販薬ではありません。医者から処方されている薬です。

私は、現在も血圧の薬とアレルギーを抑える薬(2種)の計3種類の薬を服用しています。このうち、血圧の薬がこの震災の間になくなっていました。地震直後では余震も続き、テンションも高いので平気だと思っていて、試しに計ってみたら165/110ぐらいになってました。なにかのはずみで脳卒中を発症しても不思議ではない状況だったわけです。

アレルギーの薬がもし切れていたら、アナフィラキーショックを起こして、死んでいた可能性すらあります。他にも、薬があってこそ生活を維持している方は、薬のストック(またはどんな薬を飲んでいるのかの情報)を用意すべきです。

今回の震災は、だいたいかかりつけ医が1週間程度で開きました。でも、薬は調剤薬局のストックの関係で最初は1週間分しか出ませんでした。その後4週間分出たと思ったら、今度は薬を作る工場(福島にあるんだとか)が被災していて稼動していないため、ひとり2週間分しか出せないとなっています。

薬の目標はまず1週間です。これでどうにかしのげるはずです。普段薬がなくなりそうになってから医者に行く方は、タイミングを一度考え直してください。自分が飲んでいる薬を財布に入れておいて、いざとなったときにそれを救援に来た医師に見せるという手段でもOKです。同等の、別の薬を処方してくれます。

ふたつめは、「特別な」食糧です。正確に言うと、「アレルギーを持っている人が食べられる食糧」となります。救援物資は、だいたい1週間もあれば曲りなりに届きます。しかし、それは普通の食事(おにぎりやパン、カップ麺)です。

もし小麦アレルギーを持っている子供がいたら、食べられるものはないと考えてください。住んでいる自治体では、そのような食糧は備蓄していないと考えてください。ですから、被災して生き続けるための食糧の準備は必須です。

今回の震災では、個人的なネットワークでアレルギーを持っていても食べられる食糧が調達され、どうにか各人まで届けられたという経緯があります。この部分は今までの大きな災害で同じようなことが言われていたのに、対策が遅れている部分です。取り寄せで食糧を得ていた方は、ストックをどれくらい用意するか、同じアレルギーを持つ人間同士のネットワークをしっかり作っておくことが生き残るかどうかの瀬戸際になります。

最後に、これは首都圏などの通勤に時間がかかる方は必須の準備です。それは、家族とどこでどのように連絡を取って(あるいは取らないで)落ち合うか、です。

当然ですが、通信手段は途絶えます。携帯電話は比較的つながったようですが、発信規制がかかるために、すぐに使えなくなると思っていいです。メールも送信・受信が不可になります。ですから、連絡は取れないものと考えてください。

災害伝言ダイヤルがありますが、これも災害伝言ダイヤルが立ち上がること、そしてそこまで通話(またはWebで通信)できることが条件になります。つまり、通話(やWeb)ができなければ、伝言ダイヤルに伝言は残せません。そう、これは役に立たないのです。

ですから、外出時に被災したとき、どのようにして連絡を取り、落ち合うのかを入念に準備しておく必要があります。自分が避難する避難所はどこかご存知ですか?そこに行ったら千人単位で集まるようなことになりませんか?避難所に入れないとき、どこに行きますか?そして、最終的にどうやって家族全員集まりますか?

避難所も、被災するというどうにもならないことも、実際に起きました。第3候補ぐらいまで、実際にみんなで歩いて(そう、最後は歩くしかなくなる!)予行演習をする必要があります。会社まで電車で1時間だと、会社から帰らないという選択肢も当然あります。そうなったとき、残された家族はどうするか?こんなことも準備のうちのひとつです。

私はいろいろ準備をしていたつもりですが、いざとなったらやはりその場その場でどんどん考えていかないといけないことばかりでした。でも、準備していないよりしてる方が絶対に生き残るチャンスが増えます。先達の経験を生かしてください。

PS
おまけ。近所に公衆電話ありますか?携帯電話や固定電話が死んでいても、公衆電話は使えます。他の電話よりも優先順位が高いので、最後の通信手段として、どこにあるかを調べておいてください。できれば、屋内にある公衆電話を。雪の中待っているのはつらかったですから。


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