電線一本で世界を救う [500番台]
こんな簡単なことでも、改善されるものなのか。
車の話ですが、著者は普通の(と言っていいのかはわかりませんが・・)オーディオマニアの方です。オーディオマニアでは、この手のケーブルの種類をどうするかについて、凝ってしまう人がいるのも事実です。現実として、ケーブルの材質を変えるだけで、出てくる音が変わるのは知り合いのマニアの「耳」をやっていましたから。
そんなマニアが、ふとしたことから車の電気回路を見たとき、アースをボディにしていることを見て驚き、スピーカー用の余りのケーブルでアース線をしっかりと設置してみたら燃費が改善したり、排気ガスがきれいになったということがこの本の骨子となっています。
つまるところ、車は走る機械であって電気的なものであるという認識は元々なかったということなのでしょう。だから、アースをボディに取るなんてことを普通にやっているわけです。そう考えると、デスクトップのPCも同じようにスチールのフレームに直にアースしている場合があったように思いますから、これもしっかりアースしてやれば、予想以上に性能がアップするかもしれません。
しかし、残念なことにこのアイデア、日本では特許を取ることができず、メーカーや研究者から相当のバッシングをされたようです。この辺が日本という国の限界なのかもしれません。
そういえば、今年のノーベル賞も、ひとりはアメリカで研究している方でした。日本はアイデアが実を結びにくいということを、アイデア以上に問題に感じる、そんな本です。
PS
実際に製品化されたものは、グランドブースターという製品名となっています。また、カーマニアの間でも、スパークプラグのアースを取ることは、やはり広く知られたことのようでもあります。
タグ:グランドマスター