リストラなしの年輪経営 [300番台]
長野に実際にある会社の話。
かんてんぱぱなどの寒天製品を作っている伊那食品工業の社長が、実際にどのように考えて会社を経営しているかを書いているものです。
著者は、経営上の数字がいいのが「いい会社」ではなく、日常会話で「いい会社だね」と言ってくれるのが「いい会社」と語ります。アメリカだとこれが「株価を高く維持できる業績を積み上げること」がいい会社の条件になるかもしれませんが、それだと結局従業員も、その家族にもいいことがありません。
ですが、伊那食品工業は、当たり前のことをキチンと積み重ねることをまず第一にしています。その当たり前も、自社の前で、右折で会社に入らないことや、車を止めるときは前向き駐車で木々に排気ガスをかからないようにするなどの小さいことを本当に積み重ねています。
企業のグローバル化が叫ばれているいま、このような会社も日本にはあるのです。世界基準から考えるとずっと外れているかもしれません。でも、気が年輪を重ねて成長するように、会社も毎年着実に成長を続けることが、一番という考えは、もっと誇っていいと思うのです。