人は誰でも間違える [400番台]
医学に限らず、人は間違えるものとして準備しなければならない。
この本は、医療システムをより安全にするためにどのように「人の間違い」を減らすかという研究をまとめたものです。基本となる考えとして、ここには「人は間違えるものである」という意識があります。残念ながら、日本では「間違えるのはその人が悪いから」という考えが浸透していて、失敗してしまうと「犯人探し」をして「原因探し」をしないという問題が横たわっています。
医療などは人の間違い=人の生死に直結してしまうのに、アメリカでは年間で交通事故よりも多く医療事故で亡くなるという状況なのだそうです。だから、この本では人の間違いを「システムで防ぐ」ことを主眼において考えるべきであると提言しています。
このシステムで防ぐには、さすがにたくさんの難しいポイントがあります。ミスの情報を集めるための「エラーの報告システム」、「報告された内容が特定されないための機密保護」や、裁判になったときの情報の扱いなど、クリアしなければならないポイントはたくさんありますが、アメリカはこれをどうにか乗り越えようとしています。
日本は、「人の責任」ではなく、「原因」の追究が果たしてできるのでしょうか?
タグ:医療ミス