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2011年の総括 [こんなことを考えている]

激動の2011年が終わりました。
2011年は、本読みとしても結構大変な1年でした。読んだ数としては332冊ですが、これは途中震災でもよりの公共図書館が使用不可になってしまったことと、震災後に就職した会社で体調を崩したことが途中まったくといっていいほど進まなかった原因となっています。

10月からは比較的精神衛生が保てる職場(私立高校)に臨時職員としてもぐりこめたので、逆に読む時間を作ることができました。高校の図書室も使えるわけですが、最近の高校の図書室は想像以上に中身が薄く、高校生の国語力の低下の、その一端を覗いた気分でした。

読んだなかでのお勧めは、以下のとおりです。


心理学的にありえない 上

心理学的にありえない 上

  • 作者: アダム・ファウアー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/09/13
  • メディア: 単行本



心理学的にありえない 下

心理学的にありえない 下

  • 作者: アダム・ファウアー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/09/13
  • メディア: 単行本




「空気」と「世間」 (講談社現代新書)

「空気」と「世間」 (講談社現代新書)

  • 作者: 鴻上尚史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/17
  • メディア: 新書



007 白紙委任状

007 白紙委任状

  • 作者: ジェフリー・ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/10/13
  • メディア: 単行本



「空気」と「世間」は、今年の正月休みに読んでここに書こうと思っていて忘れていたものです。日本でよく見られる「反対できない空気」はどのような背景があるかを説明したものです。ここで書かれたことが、結局震災後によく見られたので、改めて重要な指摘があったなと思っています。

他の2作は私には珍しい小説です。どちらもそれなりの分量がありつつも、読み出すと止まらない面白い作品でした。007は、それこそ21世紀のジェームス・ボンドでこのまま映画化しても楽しめそうです。

今年の特徴のひとつに、震災後に写真集を含む関連書籍をいくつか読んだことが挙げられます。

写真集は、ある特徴があります。それは津波の写真はたくさんあるのに、そこには決して遺体は写っていないということです。棺の写真もほとんどありません。自分で見た限り、FRIDAYの震災写真集ぐらいでした。決して見たいと思わないものの筆頭でしょうが、亡くなった被災者がいたという事実は残さないのかと思ったのも事実です。

他には実際に経験した人でないと書けない帰宅難民なう。のような本もあり、首都圏に地震が来たらきっとこれと同じことがもう一度起きることでしょう。

元日早々大きな地震が起きています。震災関連の本は、「明日はわが身」の想像力を広げるものとして読まなければなりません。しかし、それでも地震雑感/津浪と人間 - 寺田寅彦随筆選集 (中公文庫)で指摘されているとおり、忘れてしまうのも人間だということは、心に刻み付けておかなければ、と思う次第です。

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