ロードサイド・クロス [900番台]
意外とリアルな世界も、ここまで来ているかもしれない。
おそらく、最近読んでいる唯一の小説家もしれません。500ページを超えようかというハードカバーですが、読みだすと一気に読み進めてしまうものでもあります。ですから、精神的にも肉体的にも余裕がある時じゃないと、取りかかってはいけない作家です(笑)
で、今回の作品は、メインのリンカーン・ライムではなく、そこに「ゲスト出演」していたキャサリン・ダンスものとなっています。
今回の舞台は、とある「不正を摘発する正義」のブログに犯罪者のように書きこまれた少年が、コメントを書き込んだ人間を襲うことがベースになっています。
日本では私も含めて実名を出さないことがほとんどですが、アメリカは実名で堂々と書いていることがほとんどのようです。だから本人を割り出すのはそれほど難しくないような状況のなか、次々と犯行を繰り返して・・という内容になっています。
ネットの世界とリアルの世界の区別がつかなくなってくることについては、日本でも事件になることが最近よく見られることです。昨日歩行者天国が復活した秋葉原での事件も、ネットに犯行予告が書かれていたことは忘れられないところです。
狭いエリアの中であれば、コメントを書いた人間を特定することも決して難しいことではありません。日本でも、これと同じ殺人事件が起きても、決して不思議ではないと思えるくらい、そんなリアルな不安感を感じる作品です。
このブログはコメントもトラックバックも閉じていますが、決してこの本がきっかけではないので、その点はあしからず。
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