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ブラインドサイド [700番台]


ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟

ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟

  • 作者: マイケル ルイス
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2009/11/25
  • メディア: 単行本



アカデミー賞主演女優賞の原作。たぶん映画はほとんど話題にならなかったはず。

ぼちぼちの再開です。ある程度本を読める環境になったので、少しずつ書いていきます。

で、今回取り上げるのは、映画「しあわせの隠れ場所」の原作になります。内容としては、アメリカンフットボールのオフェンスラインという、日の当たらないポジションの選手が、いかにNFLで高給取りになってきたかという実態と、主人公のマイケル・オアーがどうやってNFLのところまでたどり着いたかを書いた部分のふたつで構成されています。

ある意味「アメリカンドリーム」ではあるのですが、これが21世紀になっても実際に起こるということ、そして貧困から抜け出す唯一の方法になるかもしれないということがよくわかります。

193cm・141kgの黒人の高校生を、白人のある程度裕福な家庭が引き取る形でそのアメリカンドリームを支えることになるのですが(この家族の母親役がサンドラ・ブロック)、全米でも上位に入る貧困地域からよくもまぁここまでたどり着いたものだとしか思えません。

この場合は、高校にまず満足して行けない状態だったために、高校でそれなりの成績を上げることが最初の目標になり、その努力が実を結び大学への道が開け、そしてNFLの扉が開きました。もしこのときに救いの手がなければ、ドラッグの売人になるぐらいしか道がないような地域ですから、なにを差し置いても「やはり教育」がその道を開くきっかけになるのです。オアーの友人でやはりアメリカンフットボールの高い素質がある選手も、生活のために学校をドロップアウトせざるをえなくなり、やはり貧困を脱出する道を絶たれたことも書かれています。

アメリカの底辺は、こんな厳しい現実と戦っているのですが、そこから救いの手を差し伸べる人間がいるのもアメリカ(というより、キリスト教徒か?)です。ちなみに、マイケル・オアーがNFLに入ったときの高額のサラリーの使い道は、この母親が「使い道が見つかった、基金を作るのよ」というような話が出てきます。成功したら、その成功を社会に還元していく、これが日本では一番できないことかもしれません。

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