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ゴミ分別の異常な世界 [500番台]


ゴミ分別の異常な世界―リサイクル社会の幻想 (幻冬舎新書)

ゴミ分別の異常な世界―リサイクル社会の幻想 (幻冬舎新書)

  • 作者: 杉本 裕明
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 新書



これを読むと、今のゴミを分けること自体バカらしくなってくる。

今、これを読んでいるあなたのところの自治体では、ゴミを何種類に分別して出していますか?私の住む仙台は、燃えるゴミ、缶・ビン・ペットボトル、プラ包装、そして紙に分けて出しています。燃えるゴミは週2回、缶・ビン・ペットボトル、プラ包装は週1回、紙は月2回収集に来ます。

最近役所から「ゴミがこれくらい減りました」というチラシが来ましたが、プラ包装が収集された後にどのような手続きを踏んでリサイクルされているのかを知っている人はほとんどいないのではないでしょうか?それ以上に、その回収にどれくらいのコストがかかっているかも。

ゴミについては、34分別をしている町がずいぶん視察の対象となって全国から人が集まっているようですが、数多く分別しているからといって、それが必ずしもいいとは言えないし、他の自治体に導入できるものでもないというのが実態のようです。そのひとつの例が、生ゴミを堆肥にすることです。34分別している町は、基本的に堆肥を使う畑がたくさんあります。しかし、都会で生ゴミを堆肥にしてもその堆肥を消費すべき畑がありません。作られる堆肥の質がよくないために、売ることもできないと、成功しているからといってすぐ真似ができないところが難しいところです。

これ以外にも、24分別をしているのにゴミが一向に減らない町の話や、市民がいくら努力しても、観光客が台無しにしてしまう、観光が中心となっている自治体の悩み、焼却炉を作りすぎて燃やすためのゴミが足りない東京23区など、ゴミにまつわるリアルな話がたくさん出てきます。平成の大合併でゴミ分別のルールが滅茶苦茶になった自治体も多いようです。

実際には利権が絡む部分がありますから、どうしても生臭い話が出てきてしまうのは、ゴミ問題ばかりではありません。だからこそ、一度分別にどのくらいのコストがかかっているのか、どのような流れでリサイクルされていて、その業者には年間いくらのお金(自治体の予算として)が渡っているのかは調べるべきでしょう。リサイクル=善、ゴミを分別する=善という図式、本当にいいことなのかこの前提条件を疑ってみる時期なのかもしれません。
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