ギムレットの海 [900番台]
久しぶりにバーのカウンターに座りたくなりました。
この本は、1つのカクテルとそれを飲む男と女のショートストーリーを集めたものです。ハッピーエンドもあれば、そうでないものもありますが、カクテルがいいスパイスになっています。
取り上げられているカクテルは、ギムレットにマティーニという有名なものから、あまり飲んだことのないものまで幅広く出てきます。そして読むごとにそのカクテルを飲んでみたいと思えるものとなっています。
カクテルは、やはりバーのカウンターで静かに飲むものであって、チェーン店の居酒屋にある出来合いのものでは雰囲気が出ません。バーのカウンターは大人の居場所であって、カウンターで静かに飲めるようになるのは人間としての成長なのかもしれません。
行きつけのバーのカウンターでカクテルを楽しみ、そして2杯ほどでスッと帰る。そんな時間を久しぶりに楽しみたいと心底思った1冊でもあります。