誰がテレビをつまらなくしたのか [600番台]
2005年当時から、テレビはつまらかったらしい。
最近、テレビ面白いですか?私はつまらないから自分で見てみたいと思う番組はありません。見なければ見なくてもまったく苦になりません。個人的には地デジに移行したら、テレビを見なくていいと思うと(もちろんNHKの受信料払わなくていいから)とても待ち遠しいものがあります。
それでなくとも、最近はちょっと面白いことが言える若手芸人(というほど芸はなく)のお笑い番組と、頭がいいところもバカなところも自慢したいらしいクイズ番組、そして個人的に「ひな壇方式」と呼んでいるゲストがたくさん入って関西系の人間が番組を回すトーク番組、こんなものしかないですから見なくてもいいんですけど。
で、この本は、元NHKのチーフプロデューサーがテレビの様々な問題を提起しています。本自体は2005年の出版で、この時点からもうテレビ番組の問題点が指摘されているのです。主な問題点は、制作側の品性や志の低さだと。たしかにどのチャンネルを見てもだいたい同じような番組で、同じような出演者で、同じような切り口でしか見られませんから、「新しい番組を作り出そう!」などという志は制作サイドにはもうないのかもしれません。これが2005年の時点で指摘されているのだから、問題の根は深そうです。
この本の章のタイトルにも「感性が鈍磨する」や、「厚化粧の文化」、「文化のファーストフード」などのような気になる指摘が並んでいます。気になるのは「見えない教育」で指摘されているテレビを見るともなく見る状況が、知らない間に「教育されている」状況であると言うこと。そんなことはないと言えますか?なんとなくテレビに影響されて(それも何度も繰り返されるのでそれこそ知らない間に)いませんか?
この本の最後に問題提起されている「テレビは今後も必要なメディアたりえるのか?」という問いの、私の答えは
「必要ない」
です。テレビが普及し始めた頃に「一億総白痴化」と言われましたが、もう「一億総白痴」の時代なのかもしれません。ヤなことですが・・・